「喪中なので年賀状を控えたい」「喪中に年賀状が届いたけれど、どう返信すればよい?」と迷ったときは、誰が喪中なのか、いつ送るのかを分けて考えると、適切な文例を選べます。
自分が喪中で年始の挨拶を控える場合は、年内に「喪中はがき」を送るのが一般的です。年明けに年賀状への返信をする場合は、松の内が明けてから「寒中見舞い」を使います。この記事では、そのまま整えて使える文例と、送る時期・書き方の注意点を紹介します。
年賀状と喪中の文例は「立場」と「時期」で選ぶ
喪中はがきは、正式には年賀欠礼状と呼ばれ、自分からの新年のお祝いの挨拶を控えることを知らせるものです。相手に年賀状を送らないよう求める通知ではありません。まずは次の表で、状況に合う挨拶を確認しましょう。
| 状況 | 選ぶ挨拶 | 送る時期の目安 |
|---|---|---|
| 自分が喪中で年始の挨拶を控える | 喪中はがき | 11月〜12月上旬に届くように |
| 自分が喪中で年賀状が届いた | 寒中見舞いで返信 | 松の内明け〜立春の前日 |
| 相手から喪中はがきが届いた | 必要に応じてお悔やみ状や寒中見舞い | お悔やみは知った時点で、寒中見舞いは松の内明け |
| 喪中の相手に年賀状を出してしまった | お詫びの連絡や寒中見舞い | 事情を知った時点や松の内明け |
喪中はがきは、相手が年賀状を準備する前に届けることが大切です。年賀状の引受開始は例年12月15日なので、できれば12月上旬までを目安にします。ただし、これは厳密な締め切りではありません。
寒中見舞いの開始日は、松の内をいつまでとするかで異なります。1月7日までとする地域なら1月8日以降、1月15日までとする地域なら1月16日以降が目安です。相手の地域の慣習を踏まえ、立春の前日までに届くようにしましょう。立春は例年2月3日〜4日頃ですが、年によって日付が変わります。
自分が喪中のときに送る喪中はがきの文例
基本の構成は、①年賀欠礼の挨拶、②亡くなった方の情報、③お世話になったお礼、④相手を気遣う結びです。以下の[ ]は必要な内容に置き換え、完成時には括弧を削除してください。はがきでは段落ごとに改行すると読みやすくなります。
父母など家族が亡くなった場合の基本文例
喪中につき年末年始のご挨拶を失礼させていただきます
本年[月]月に[続柄][故人名]が[年齢]歳にて永眠いたしました
生前に賜りましたご厚情に深く御礼申し上げます
皆様にはお健やかにお過ごしくださいますようお祈り申し上げます
[年]年[月]月
[住所]
[差出人名]
続柄は、原則として差出人から見た関係を書きます。自分の父なら「父」、母なら「母」です。配偶者の父については「義父」や「妻の父」「夫の父」など、関係が分かる表現を選びます。
夫婦連名で続柄が分かりにくい場合は、「妻[名前]の父[故人名]」のように補足すると誤解を防げます。また、相手が故人と面識のない方ばかりなら、生前のお礼の代わりに「本年中に賜りましたご厚情に御礼申し上げます」としても自然です。
故人の名前や死去の詳細を記載しない文例
喪中につき新年のご挨拶を控えさせていただきます
本年中に賜りましたご厚情に心より御礼申し上げます
明年も変わらぬお付き合いのほどお願い申し上げます
寒さに向かう折からどうぞご自愛ください
[年]年[月]月
[住所・差出人名]
故人の氏名・年齢・亡くなった月は、必ず記載しなければならない情報ではありません。家庭の事情やプライバシーへの配慮から、省略しても差し支えありません。死因や療養の経緯まで詳しく説明する必要もありません。
親しい友人に送る、やわらかな文例
喪中のため新年のご挨拶を控えさせていただきます
今年[月]月に[続柄]が永眠いたしました
いつも温かいお心遣いをいただきありがとうございます
これからも変わらずお付き合いいただけましたら幸いです
寒い日が続きますのでどうぞ体を大切にお過ごしください
親しい間柄でも、「あけましておめでとう」などのお祝いの言葉は入れません。一方、必要以上に堅い言い回しにする必要はなく、普段の関係に合う丁寧な文章で十分です。
喪中に年賀状が届いたとき・相手が喪中だったときの返信文例
年明けの返信では、祝いの挨拶ではなく、季節の挨拶である寒中見舞いを使います。年賀はがきではなく、通常はがきや落ち着いたデザインの私製はがきを選びましょう。
自分の喪中を知らせておらず、年賀状をいただいた場合
寒中お見舞い申し上げます
ご丁寧な年始のご挨拶をいただきありがとうございました
昨年[月]月に[続柄]が永眠いたしましたため 年始のご挨拶を控えさせていただきました
ご連絡が行き届かず失礼いたしました
本年も変わらぬお付き合いのほどお願い申し上げます
厳しい寒さが続きますのでどうぞご自愛ください
喪中はがきを出していなかった場合は、事情と連絡が遅れたことを簡潔に伝えます。相手が年賀状を送ったことについて、謝罪を求めるような表現は避けましょう。
喪中はがきを送った後に年賀状が届いた場合
寒中お見舞い申し上げます
ご丁寧なご挨拶をいただきありがとうございました
寒さ厳しき折 皆様いかがお過ごしでしょうか
本年も変わらぬお付き合いをお願い申し上げますとともに
皆様のご健康を心よりお祈り申し上げます
喪中はがきと年賀状が行き違うこともあります。「先日お知らせしたとおり」と重ねて指摘する必要はありません。年賀状を受け取ること自体はマナー違反ではなく、返信も必須ではありませんが、お礼を伝えたいときにはこのような文面が使えます。
相手から喪中はがきを受け取った場合
寒中お見舞い申し上げます
ご服喪中と存じ 年始のご挨拶は控えさせていただきました
[故人名]様のご逝去を悼み 心よりお悔やみ申し上げます
ご家族の皆様にはお寂しい日々をお過ごしのことと存じます
どうぞお体を大切にお過ごしください
この文例は、松の内明けに送る場合のものです。訃報を初めて知り、すぐにお悔やみを伝えたい場合は、寒中見舞いの時期まで待つ必要はありません。手紙や、親しい相手なら短いメッセージでも気持ちを伝えられます。
故人の宗教が分からない場合は、「ご冥福」など宗教によって受け止め方が異なる表現を無理に使わず、「心よりお悔やみ申し上げます」とするのが無難です。
文例を自分用に整える3つの手順
1.送る相手と時期を確認する
自分の年賀欠礼を年内に知らせるのか、年明けに返信するのかを決めます。次に、普段年賀状をやり取りしている相手を中心に、送付先を整理しましょう。
つまずきやすい点:葬儀に参列した方など、すでに訃報を知っている相手にも、年賀欠礼を知らせる目的で喪中はがきを送って構いません。訃報の連絡と年賀欠礼の挨拶は目的が異なります。
2.続柄・名前・日付を置き換える
文例を選んだら、[続柄][故人名][月][年齢]を確認して置き換えます。年齢を載せる場合は、満年齢か数え年かを家族で統一しましょう。分かりやすくするなら「満[年齢]歳」と表記できます。
つまずきやすい点:年内に送る喪中はがきでは「本年」、翌年の寒中見舞いでは「昨年」となります。また、今後のお付き合いを願う表現は、年内なら「明年」、年明けなら「本年」に直してください。
3.表記とレイアウトを点検して投函する
宛名・住所・差出人名の誤りを確認し、年賀欠礼や季節の挨拶が読み取りやすいように改行します。本文は3〜5段落程度に分けると、情報を整理しやすくなります。
つまずきやすい点:儀礼的な挨拶状では句読点を省く慣習があるため、本記事の文例もその形式にしています。ただし、句読点があるだけで直ちに失礼になるわけではありません。薄墨も必須ではなく、黒や落ち着いたグレーなど、読みやすい色で問題ありません。
年賀状と喪中の文面で迷いやすいケース
12月後半に不幸があり、喪中はがきが間に合わない
相手がすでに年賀状を投函している可能性があります。年内の通知に間に合わない場合は、無理に急いで一斉発送せず、松の内明けに寒中見舞いで事情を知らせる方法があります。
文面には「昨年末に[続柄]が永眠いたしましたため 年始のご挨拶を控えさせていただきました」と添えると自然です。立春以降になった場合は「余寒見舞い」など、時期に合う挨拶に切り替えます。
喪中の相手に年賀状を出してしまった
事情を知らずに送った場合は、過度に自分を責める必要はありません。相手にお悔やみを伝える際、次のように短くお詫びを添えられます。
ご服喪中とは存じ上げず 年始のご挨拶をお送りし失礼いたしました
遅ればせながら心よりお悔やみ申し上げます
どうぞご無理なさらずお体を大切にお過ごしください
松の内明けに送るなら、冒頭に「寒中お見舞い申し上げます」を付けます。すでに喪中の知らせを受けていたのに失念した場合は、「ご服喪中とは存じ上げず」ではなく「配慮が行き届かず」とし、事情に合う言葉を選びましょう。
仕事関係の相手にも喪中はがきが必要?
個人として年賀状を交換している相手には、喪中はがきで欠礼を知らせるのが一般的です。一方、会社や部署名義の年賀状は個人の服喪と分けて考える場合があります。個人名義か会社名義かを確認し、会社の方針に合わせて判断しましょう。
最後に確認したい、よくある失敗と注意点
喪中に関する挨拶は、形式を完璧に整えることだけでなく、相手に負担をかけず気持ちを伝えることが大切です。投函前に、次の点を確認してください。
- お祝いの言葉を入れない:「謹賀新年」「迎春」「おめでとうございます」は避けます。
- 寒中見舞いを早く出しすぎない:相手の地域の松の内明けを目安にします。
- 時制を混同しない:年明けの文面では、前年の出来事を「昨年」と表します。
- 年賀状を送らないよう要求しない:喪中はがきは、自分からの年賀欠礼を知らせるものです。
- 故人の情報を無理に詳しく書かない:氏名・年齢・死因などは、事情に応じて省略できます。
- 別の報告を盛り込みすぎない:結婚や出産のお祝い事の報告は、原則として別の機会に分けます。
迷ったときは、年内の欠礼通知なら喪中はがき、年明けの季節の挨拶や返信なら寒中見舞い、と整理しましょう。喪中の範囲や年賀状の扱いも含め、喪中と年賀状についてさらに詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。