
ひな祭りが近づくと「ひな人形の飾り方はこれで合っている?」「どこに置くのが正解?」「しまう時期も含めて失敗したくない」と悩む方は多いです。とくに初めて飾るご家庭や、久しぶりに出す方は説明書を見ても迷いがちです。本記事では、ライト層の方でもすぐ実践できるように、基本の飾り方(並べ方・方角・時期)から、住環境に合わせた飾り方の工夫、片付け・保管のコツまでを、理由と一緒にわかりやすくまとめます。
ひな祭りの飾り方で迷いやすいポイントを先に整理します
「ひな祭り 飾り方」で検索する方の多くがつまずくのは、実は細かな作法よりも判断基準がわからないことです。よくある迷いどころを先に整理すると、解決策が選びやすくなります。
よくある悩みは次のとおりです。
・親王(男雛・女雛)の左右はどっち?
・三人官女や五人囃子の並べ方がわからない
・段飾りと親王飾りで手順が違う?
・飾る時期はいつから、片付けはいつまで?
・置く場所はどこが適切?日当たりや暖房は大丈夫?
・狭い家でもきれいに見せるコツはある?
結論から言うと、ひな人形の飾り方には地域差・流派差があり、「唯一の正解」があるわけではありません。ただし、どの飾り方にも共通する大切な考え方があります。それは人形を傷めない環境で、家族が気持ちよくお祝いできる形に整えることです。次の章で、まず迷いにくい「基本」を押さえましょう。
基本のひな人形の飾り方:並べ方・順番・時期を押さえる
ここでは、説明書が手元にない場合でも組み立てられるように、標準的な考え方で整理します。お持ちのひな人形の種類(段飾り/親王飾り/ケース飾り)によって、できる範囲で取り入れてください。
1)飾る時期の目安
一般的には、立春(2月上旬)以降〜ひな祭り当日(3月3日)までの間に飾ります。直前に慌てないためにも、休日に合わせて2月中旬までに飾ると気持ちに余裕が出ます。早すぎても問題はありませんが、長期間出しっぱなしにするとホコリが付きやすいので、環境に合わせて調整すると良いです。
2)親王(男雛・女雛)の左右:まずは「お道具・屏風」に合わせる
親王飾り(男雛と女雛の2体)で迷うのが左右です。実は、左右は地域や考え方で異なることがあります。そこでおすすめなのが、セットの付属品(屏風・ぼんぼり・桜橘・三方など)と“合う置き方”を優先する方法です。
例えば、男雛の手元に太刀、女雛の手元に扇など、持ち物が自然に見える向きがあります。さらに、屏風の絵柄や金具の向き、台座の形状など、メーカーが想定する配置に合わせると全体がきれいに収まります。説明書がある場合はそれが最優先です。
3)段飾りの基本:上から「主役→付き添い→音楽→道具」の流れ
段飾りは、上段ほど位が高く、下段にいくほどお道具が増えるイメージです。代表的な構成は次の流れです。
・最上段:親王(男雛・女雛)+屏風・ぼんぼり
・二段目:三人官女
・三段目:五人囃子
・四段目:随身(左大臣・右大臣)など
・五段目以降:仕丁(お世話役)や嫁入り道具、御駕籠・御所車など
細部はセットによって異なるため、「自分の段数に合わせて、あるものを上から順に品よく並べる」意識が役立ちます。飾り段がある場合、段の布(緋毛氈)をきれいに張り、左右の高さがそろうように整えると、全体の完成度が一気に上がります。
4)小物配置のコツ:左右対称を意識する
ぼんぼり・燭台・桜橘などの小物は、基本的に左右対称に置くと見栄えが安定します。左右対称が難しい構成でも、「高さ」と「色の分量」が左右で大きく偏らないようにすると、写真に撮っても整って見えます。
5)飾る高さ:子どもが見える・触れすぎないバランス
小さなお子さまがいるご家庭では、見やすい高さに置きたい一方で、落下や破損も避けたいところです。おすすめは、子どもの目線より少し上、もしくは手が届きにくい位置にしつつ、毎日眺められる場所にすることです。ケース飾りの場合は、安定した台の上に置き、揺れやすい場所(ドア付近、通路)を避けると安心です。
きれいに見せて人形を守る「置き場所・方角・環境」の考え方
飾り方の満足度は、並べ方以上に「置き場所」で決まります。ひな人形は繊細な素材(布、金属箔、木、和紙など)が多く、環境の影響を受けやすいためです。ここでは、見栄えと保護を両立する判断基準を紹介します。
1)方角より大事なのは「直射日光・湿気・温度差」を避けること
「ひな人形はどの方角に飾る?」という疑問は多いですが、現代の住環境では方角よりも劣化要因を避けることのほうが重要です。避けたいのは次の3つです。
・直射日光:色あせ、布の劣化、台や屏風の退色につながる
・湿気:カビ、金属部のくすみ、においの原因になりやすい
・急な温度差:結露を招き、シミやカビのリスクが上がる
窓際に置く場合は、レースカーテン越しにする、日が差し込む時間帯だけ位置をずらすなどの工夫が有効です。床に近い場所はホコリが溜まりやすいので、可能なら台や棚の上に置きましょう。
2)おすすめの設置場所:家族の目に入る「安定した場所」
ひな祭りは、飾って終わりではなく、日々眺めて季節を感じる行事でもあります。おすすめは、次のような「家族が通るけれど、ぶつかりにくい場所」です。
・リビングの壁際(動線から少し外れたところ)
・和室の床の間(ある場合)
・ダイニング横の飾り棚(安定していることが条件)
避けたいのは、エアコンの風が直撃する場所、加湿器の近く、キッチンの油煙が届く場所です。ニオイ移りやベタつきは、後から落としにくいことがあります。
3)狭い家でも成立する飾り方:省スペースでも「主役の見せ方」を作る
スペースが限られていても、飾り方を工夫すれば十分に華やかになります。ポイントは主役(親王)を中心に、背景と余白を整えることです。
・親王飾りに絞り、屏風と雪洞(ぼんぼり)だけで“面”を作る
・台座の前に小さな菱餅風の飾りや花を添え、視線を集める
・壁に季節の手ぬぐい、和柄の布、淡い色の布を背景として掛ける(直射日光は避ける)
「全部出さないといけない」と思い込むより、毎年無理なく飾れて、家族が楽しめる形を優先したほうが続きます。
4)ペット・幼児対策:見せる場所と触れる場所を分ける
倒れやすい場所や、尻尾が当たりやすい高さは事故のもとです。対策としては、透明カバー(アクリルケースや簡易カバー)を使う、ベビーゲートの内側に置く、棚の奥行きを確保するなどが有効です。触って学ぶ年齢のお子さまには、別途「触れて良い飾り(紙の飾り、折り紙、吊るし飾り)」を用意すると、禁止ばかりにならずに楽しめます。
飾り付けの手順と、失敗しないお手入れ・片付けのコツ
ひな人形は「出す」より「しまう」ほうが難しいと感じる方もいます。ここでは、初心者でも失敗しにくい手順と、来年も気持ちよく飾るためのポイントをまとめます。
1)飾る前の準備:手を清潔に、柔らかい布を用意
まず手を洗い、可能なら乾いた柔らかい布(メガネ拭きのような素材)を用意します。布製品は引っ掛けに弱いため、指輪や腕時計が当たらないようにすると安心です。人形を直接持つときは、顔や髪ではなく台座や胴まわりを支える意識を持つと安定します。
2)組み立ては「背景→主役→脇役→小物」の順で楽になります
飾り付けは、次の順番にすると手が入りやすく、やり直しが減ります。
(1)台・緋毛氈・屏風など背景をセット
(2)親王(男雛・女雛)を中心に配置
(3)官女・囃子など人数ものを配置(段飾りの場合)
(4)ぼんぼり、桜橘、道具類を左右バランスよく配置
(5)全体の中心線・左右のズレを微調整
最後に少し離れて見て、左右の高さや余白が揃っているかを確認すると整います。スマホで一度撮影してみると、ズレが客観的に見つかりやすいです。
3)ホコリ対策:毎日触らず、環境で防ぐ
飾っている期間に気になるのがホコリですが、頻繁に触って払うと衣装を傷めることがあります。できる対策は、置き場所を工夫してホコリの溜まりにくい環境にすることです。空気の流れが強い場所や、布ものが多い場所(ホコリが舞いやすい場所)を避け、必要なら簡易カバーを検討してください。
4)片付けの時期:焦らず「晴れて乾燥した日」を優先
「すぐ片付けないと…」という話を耳にすることがありますが、大切なのは日付よりもコンディションです。雨の日や湿度が高い日は避け、晴れて空気が乾いている日に片付けるとカビ予防になります。どうしても天候が悪い場合は、室内の湿度管理をしてから作業すると良いです。
5)しまい方:写真を撮る、元の箱に戻す、乾燥を意識する
来年の自分を助けるコツは、片付け前に全体写真・各段の写真を撮ることです。並べ方の迷いが減り、飾り付け時間が短縮できます。
保管は、基本的に付属の箱や収納材が最もフィットします。入れる向きが決まっている場合もあるため、無理に押し込まず、収まりが悪いときは向きを変えて確認してください。金属部分のくすみやすさが気になる場合は、保管環境(湿気)を見直し、収納場所は温度差が少ないところを選ぶと安心です。
ひな祭りの飾り方は「正解探し」より、家庭に合う形で続けるのがいちばんです
ひな祭りの飾り方は、左右の並びや段の構成など細かな違いが語られがちですが、ライト層の方がまず押さえたいのは次のポイントです。
・飾り方には地域差があるため、付属品や説明書に合う形を優先する
・見栄えと保護の両方を考え、直射日光・湿気・温度差を避けて置く
・省スペースでも、親王を中心に背景と余白を整えれば十分華やぐ
・片付けは日付に追われず、乾燥した日を選び、写真で来年に備える
完璧な作法を目指すより、毎年無理なく飾れて、家族が「今年も飾れたね」と感じられることが、ひな祭りを気持ちよく続けるコツです。まずはできる範囲で整え、飾る時間そのものも季節の行事として楽しんでみてください。

