
「片づけても片づけてもすぐ散らかる」「収納グッズは増えたのに、なぜかスッキリしない」――そんなモヤモヤを感じていませんか。実は、多くの人がやってしまいがちな「なんとなく収納」が、散らかる家をつくる最大の原因です。散らからない家にするためには、センスではなく再現性のある収納の基本ルールと、暮らしにフィットした場所別の収納アイデアを押さえることが重要です。
散らからない家のために絶対おさえたい「収納の基本ルール」
まずはどの部屋にも共通する、散らからない家づくりの基本ルールから整理していきます。ここがブレていると、どれだけおしゃれな収納グッズをそろえても、時間が経つほどに崩れていきます。逆に言うと、この基本が身につけば、多少散らかっても短時間でリセットできる「戻しやすい家」になります。
1. 物の「定位置」を必ず決める
散らかる家の多くは、「とりあえず置き」が習慣になっています。郵便物、買い物袋、充電中のスマホ、読みかけの本など、帰宅してから適当な場所に置いてしまうと、そこが一時的な置き場のはずなのに、気付けば「定位置」になってしまいます。
対策として、家の中にあるすべての物に『住所』を決める意識を持ちましょう。ノートはここ、リモコンはこのトレー、鍵はこのボックス、といったように、誰が見てもわかる場所を決めます。「住所不定」の物が多いほど、散らかりやすくなります。
2. 動線に合わせて「置き場」を設計する
無理のある収納は、たとえ見た目が整っていても長続きしません。散らからない家は、必ず動線に沿った収納になっています。たとえば、
- バッグや上着は、玄関〜リビングの通り道でサッとかけられる場所
- ゴミ袋は、キッチンのゴミ箱のすぐそば
- 掃除用具は、汚れが気になりやすい場所から数歩で届く位置
というように、「使う場所から近いところ」に配置されているため、出し入れの手間が最小限です。人は面倒なことを避ける生き物なので、1〜2アクションで終わる仕組みを意識して収納場所を決めましょう。
3. 収納は『7〜8割』を目安にゆとりを残す
パンパンに詰まった引き出しやクローゼットは、一見「収納力がある」ようで、実は散らかりやすさの原因です。余白がないと、
- 物がスムーズに出し入れできない
- どこに何があるか把握しづらい
- 一度崩れると元に戻すのが面倒になる
といったデメリットが発生します。理想は収納スペースの7〜8割程度でとどめること。余白があることで、物の出入りに対応でき、多少の乱れもすぐに整えられます。「まだ入る」ではなく、「これ以上は入れない」と線引きをすることで、不要な物も溜まりにくくなります。
4. 『立てて収納』を基本にする
洋服、本、書類、フライパン、保存容器など、多くの物は「重ねる収納」よりも「立てる収納」の方が散らかりにくくなります。理由はシンプルで、
- 上から見て一目で在庫・状態が確認できる
- 下の物を取り出す際に、上の物をどかす手間がない
- 戻すときも抜いた場所にスッと差し込むだけで済む
からです。ファイルボックスや仕切りスタンド、ブックエンドなどを活用し、立てて並べる習慣をつくると、「探さない」「崩れない」収納に近づきます。
5. 「一軍」「二軍」「お役御免」に分ける
散らからない家は、物の優先順位づけが上手です。すべてを同じ扱いにせず、
- ほぼ毎日または週数回使う:一軍(最も取り出しやすい位置)
- 月1回〜数か月に1回使う:二軍(少し手を伸ばせば届く位置)
- めったに使わない・今は使っていない:お役御免候補(見直し対象)
という3つのゾーンで考えます。一軍ほど手前・低い位置・目線の高さに、二軍は少し高い場所や奥側に、お役御免候補は見えない場所か、思い切って手放すことを前提に見直していきましょう。
6. 収納グッズは「物の量」と「動き」が安定してから選ぶ
散らからない家にしたいと思うと、まず収納グッズを買いたくなりますが、順番としては逆効果になることが多いです。先に物の仕分けや置き場所のルールを決めてから、「どのサイズ・どの形の収納が必要か」を判断した方が失敗しにくくなります。
また、見た目だけで選ぶのではなく、・片手で開け閉めできるか ・高さや奥行きがスペースと合うか ・中身が見えた方がいいのか隠したいのかといった「動き」と「使い勝手」を基準に選ぶと、片づけが面倒になりません。
7. ルールは家族で共有し、ラベリングで「見える化」する
自分だけがわかる収納ルールは、家族が片づけられず、すぐに元通りになってしまいます。散らからない家を保つには、
- 引き出しやボックスにラベルを貼る
- 家族がよく使う物は特にわかりやすく表示する
- 子どもにはイラストや色分けを使う
など、誰でも迷わず戻せる仕組みづくりが欠かせません。「どこに戻したらいいかわからない」が解消されるだけで、自然と散らかりにくくなります。
場所別・散らからない収納アイデア【玄関・リビング・キッチン】
基本ルールがわかったところで、具体的に、散らかりやすい代表的な場所ごとの収納アイデアを見ていきます。ここでは玄関・リビング・キッチンの3か所に絞って、すぐに取り入れやすい工夫をご紹介します。
玄関:物の「仮置き場」をあえてつくる
玄関は家の第一印象を決める場所でありながら、「つい置きっぱなし」が発生しやすい要注意ゾーンです。靴、宅配の荷物、郵便物、子どもの遊び道具など、家の中に入る前の物が一時的に集まる場所だからです。
「何も置かない玄関」を目指すより、あえて『ここまではOK』という仮置きスペースをつくる方が、現実的で続けやすくなります。
- シューズボックスの上にトレーを置き、郵便物や鍵の定位置にする
- 玄関収納の一角を「翌日持ち出す物」の一時保管場所にする
- 子どもの帽子や通園グッズは、玄関近くのフックにまとめてかける
このように「置いていい場所」「明日にはなくなる物の置き場」を明確にすることで、「気づいたら玄関が物置き状態」という事態を防げます。
玄関の靴は『家族数+α』を目安に並べる
靴が出しっぱなしだと、一気に散らかった印象になります。とはいえ、毎回すべてをしまうのは現実的ではありません。そこで、
- 玄関に出しておく靴は「家族人数×1〜2足」までにする
- シーズンオフの靴は奥の棚や他の収納へ移動させる
- 子どもの靴は低い位置にまとめて、子どもが自分で出し入れできるようにする
というルールを決めるのがおすすめです。「これ以上出ていたら戻す」と決めておくと、靴が床を占領しなくなります。
リビング:物を『カテゴリー』でまとめる
家族が集まるリビングは、リモコン、文房具、ゲーム機、充電器、雑誌など、あらゆる物が集まりやすい空間です。リビングが散らかる原因の多くは、「似たような物がバラバラに点在していること」です。
ここで意識したいのが、「用途別にグルーピングして収納する」ことです。例えば、
- リモコン・ゲーム関連:テレビボードの一角にトレーや小箱を置き、まとめて収納
- 文房具:よく使うペンやハサミだけを1つのペン立てまたは小さなボックスに集約
- 充電関連:ケーブル・モバイルバッテリーを1つのボックスにまとめ、コンセント近くに置く
といったように、用途ごとに「グループの住所」をつくるイメージです。箱やトレー単位で管理すれば、多少中身が乱れても、見た目はスッキリ保てます。
リビングテーブルに『置きっぱなしゾーン』をつくらない
ローテーブルやサイドテーブルは、物を置きやすい高さのため、散らかりの温床になりがちです。ここをきれいに保つには、「本当に置きたい物」以外は、最初から置き場をつくらないことが重要です。
- テーブルの上は「飲み物とその時読んでいる本だけ」など、ルールを決める
- 読みかけの本には専用のカゴや一時置きの棚を用意する
- 文房具はテーブルの引き出し1つに収め、出しっぱなしにしない
「テーブルの上には物を置かない」のではなく、「置いていい物を限定する」と考えると、無理なく続けられます。
キッチン:『作業台の上に収納しない』を基本にする
キッチンは、調理器具・食器・食材・調味料など、物の種類が多く、散らかりやすい場所です。効率よく料理をするためにも、まずは作業台(ワークトップ)の上をできるだけ空けておくことを目標にしましょう。
よくあるのが、
- 調味料が常に出しっぱなし
- 郵便物や学校からのプリントが積み重なっている
- ストック食材の段ボールが床やカウンターに置きっぱなし
という状態です。この「一時的な置き場」が、実質的な収納スペースになってしまっています。これを防ぐには、
- コンロ周り:毎日使う油・塩・コショウなど最小限だけを出しておき、調理が終わったら定位置に戻す
- 調味料:引き出しやコンロ下にトレーを入れ「立てて」収納し、ラベルで中身を見える化
- プリント類:キッチンカウンター近くにファイルボックスを1つ置き、家族ごと・用途ごとにざっくり分類
など、「一時的に置きがちな物」に必ず住所を用意しておくことが有効です。
冷蔵庫の中も『立てる・区切る』で散らからない
冷蔵庫は扉を閉めれば見えないため、つい詰め込みがちですが、中身が把握できないと「買ったのに忘れる」「賞味期限切れが増える」と、食材もお金も無駄になってしまいます。
散らからない冷蔵庫のポイントは、
- 食材をカテゴリーごとにカゴやトレーで区切る(乳製品、調味料、朝食セットなど)
- 使いかけの食材・早く使いたい物をまとめる「早く食べてねボックス」をつくる
- ドアポケットは「よく使う調味料」だけに絞り、在庫を増やしすぎない
といった工夫です。特に「朝食セット(パン・ジャム・バターなど)」を1つのカゴにまとめておくと、忙しい朝もカゴごと取り出すだけで準備が進むため、冷蔵庫の中身が乱れにくくなります。
クローゼットや洗面所をスッキリ保つためのコツ
衣類や日用品が集まるクローゼットや洗面所も、散らかりやすい場所です。ここが整っていると、朝の身支度がスムーズになり、一日のスタートがぐっとラクになります。
クローゼット:『着ていない服』を可視化する
クローゼットがパンパンなのに「着たい服がない」と感じる場合、多くは「今の自分に合っていない服」が場所を取っている状態です。まずは、
- シーズンごとに「一度も着なかった服」に印をつける(ハンガーを反対向きにかけるなど)
- 着た服は通常の向きに戻していき、シーズン終了時に残った反対向きの服を見直す
という方法で、「なんとなく持っているだけの服」をあぶり出していきます。これにより、本当に必要な服と手放しても困らない服が、感覚ではなく事実ベースでわかるようになります。
『1カテゴリ1場所』で迷いをなくす
クローゼット収納では、「トップスはここ、ボトムスはここ、ワンピースはここ」といったように、カテゴリごとに場所を固定することが大切です。特に、
- オン・オフの服を分けて吊るす
- よく着る服ほど手前・腰〜目線の高さに
- オフシーズンや冠婚葬祭用は上段や奥へ
といったゾーニングを意識すると、朝の服選びがスムーズになり、「片づけるのが面倒」という気持ちも減っていきます。
たたむ服は『立てる収納』で一目瞭然に
引き出しに入れる服は、重ねてしまうと下の方が見えなくなり、「存在を忘れて同じ服ばかり着る」「ぐちゃっと崩れて戻す気がなくなる」原因になります。ここでも活躍するのが立てる収納です。
- Tシャツやニットは、幅をそろえてたたみ、ファイルのように立ててならべる
- 下着や靴下は、小さな仕切りやケースで区切り、立てて入れる
- 子ども服も同様に、種類ごとに立てて収納し、ラベルで位置を固定する
上から見たときにすべての服が一覧できる状態が理想です。どの服も平等に目に入るため、「着る服の偏り」も減り、持っている服を有効活用できます。
洗面所:『毎日使う物』だけを出しておく
洗面所は、スキンケア用品、ヘアケア用品、洗剤、ストック類など、多くの細々した物が集まりやすい場所です。その結果、洗面台の周りにボトルがずらりと並び、掃除もしづらくなってしまいます。
散らからない洗面所にするには、まず「毎日必ず使う物」だけを洗面台に残す意識を持ちましょう。
- 朝晩のケアで使う化粧水・乳液など、最低限のアイテムだけを1つのトレーにまとめる
- それ以外のスペシャルケア用品は、引き出しや棚に収納し、使う時にだけ取り出す
- 洗剤やシャンプーのストックは、洗面台下など目に入らない場所にまとめる
「出しっぱなし=毎日使う物」のはずですが、改めて見直すと、実はほとんど使っていない物が紛れていることも少なくありません。一度すべてを退避させて、「本当に毎日使う物」だけを戻してみると、驚くほどスッキリします。
タオルや日用品は『人数×日数』から必要量を逆算する
タオルや歯ブラシ、洗剤などの日用品は、「なんとなく多めに」という考えで買い足していくと、いつの間にか収納がいっぱいになります。そこで、
- バスタオル:家族人数×2〜3枚程度を目安にする
- フェイスタオル:使用頻度や洗濯ペースに合わせて必要枚数を決める
- 洗剤やシャンプー:ストックは「今使っている物+1つまで」など、上限を決める
というように、具体的な上限を設定しましょう。量が決まれば、そのための収納スペースも自ずと決めやすくなります。
散らからない家をキープするための習慣づくりとまとめ
どれだけ収納を整えても、「時間が経つとまた散らかってしまう」という悩みはつきものです。散らからない家にする最大のコツは、完璧を目指すことではなく、「崩れてもすぐに元に戻せる仕組み」と「小さな習慣」をセットで身につけることにあります。
1日5分の『リセットタイム』を決める
一日中きれいな状態を保とうとするのは現実的ではありません。そこで、
- 朝出かける前の5分
- 夕食後の5分
- 寝る前の5〜10分
など、自分や家族にとって無理なく続けやすいタイミングを1つ決めて、「出しっぱなしを元の場所に戻すだけ」の時間をつくりましょう。
このとき、「片づける場所」は家全体ではなく、玄関だけ・リビングだけ・ダイニングテーブルだけなど、エリアを絞るのがコツです。エリアを固定しておくと、どこから手をつけるか迷わず、短時間で成果を感じやすくなります。
『持ち帰った物はその場で仕分け』を意識する
郵便物・レシート・学校からのプリントなど、外から持ち込まれる「紙もの」は、散らかりの代表格です。これをため込まないために、
- 家に入ったら、玄関またはダイニング近くで「要・不要」をその場で分ける
- 不要な物は即ゴミ箱へ、必要な物だけをファイルボックスやクリアファイルへ
- 「あとで見る」書類は、必ず専用の一時置きスペースを決めておく
という習慣をつけておきましょう。特に「あとで読む」「あとで整理する」は散らかりのもとです。「あとで」を「今ここで1分だけ」に変えるだけで、紙の山ができにくくなります。
家族を巻き込む『かんたんルール』にする
自分一人が頑張っても、家族がそれぞれ自由に物を置いてしまえば、散らからない家を保つのは難しいものです。そこで、収納のルールは家族にとってもわかりやすく・簡単であることが重要です。
- 子どもには「おもちゃはこの箱にぜんぶ入れたらOK」など、ざっくりルールにする
- 夫婦で「郵便物はこのトレーに置く」「リモコンはこのカゴに戻す」といった、明確な合意をつくる
- ラベルや色分けで「見ただけでわかる」工夫をする
ルールがシンプルであるほど、家族も参加しやすくなり、「誰か一人だけに片づけの負担が集中する」状態から抜け出せます。
完璧を目指さず『合格ライン』を決める
インテリア雑誌やSNSで見るような「いつでもモデルルームのような部屋」を目指すと、疲れてしまいがちです。散らからない家の本当の目的は、「片づけに追われず、心地よく暮らせること」です。
そのためにも、
- ここまで片づいていればOKという「自分なりの合格ライン」を決める
- 来客時にさっと整えられる状態を維持できていれば、それで十分だと考える
- 生活感を完全になくすのではなく、「整った生活感」を目指す
というスタンスでいると、収納や片づけがぐっと気楽になります。「時々散らかっても、短時間でリセットできるなら合格」という感覚で、自分を追い詰めすぎないことも大切です。
まとめ:基本ルール+場所別アイデアで『戻しやすい家』へ
散らからない家は、センスや根性ではなく、仕組みづくりと小さな習慣の積み重ねで成り立っています。
まずは、
- 物の定位置を決め、動線に沿って配置する
- 収納は7〜8割のゆとりを残し、「立てて収納」を基本にする
- 一軍・二軍・お役御免に分けて、量を適正化する
といった収納の基本ルールを押さえた上で、
- 玄関には仮置き場と鍵・郵便物の定位置をつくる
- リビングではカテゴリーごとのグルーピング収納を徹底する
- キッチンは作業台に物を置かず、冷蔵庫も「区切る・立てる」で管理する
- クローゼットはカテゴリ別・立てる収納で「見渡せる状態」にする
- 洗面所は「毎日使う物だけを出す」を徹底し、ストック量に上限を設ける
といった場所別のアイデアを組み合わせていきましょう。
一度にすべてを完璧にしようとせず、まずは気になる場所を一つ決めて、ルールづくりと収納の見直しから始めてみてください。「片づけなきゃ…」というストレスが減り、「自然と片づく」感覚が少しずつ育っていきます。今日からできる小さな一歩で、「散らからない家」の土台をつくっていきましょう。
