ハロウィンが近づくと、オレンジ色のかぼちゃに目や口をつけた飾りをよく見かけますね。「なぜかぼちゃなの?」「あの怖い顔にはどんな意味があるの?」と気になる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、ハロウィンの由来、かぼちゃが飾られるようになった理由、怖い顔の意味まで、順番にわかりやすく紹介します。子どもに聞かれたときや、飾り付けを楽しむときにも役立ちますよ。
ハロウィンのかぼちゃは「ジャック・オー・ランタン」
ハロウィンで飾られる、顔をくり抜いたかぼちゃはジャック・オー・ランタンと呼ばれます。英語では「Jack-o'-lantern」と書き、日本語では「ジャックのちょうちん」や「ジャックの提灯」といった意味合いです。
かぼちゃの中に明かりを入れ、玄関や窓辺に置くのは、単なる季節の飾りではありません。昔の人々は、ハロウィンの夜にはこの世とあの世の境目がゆるみ、祖先の霊だけでなく悪い霊もやって来ると考えていました。そこで、恐ろしい顔をしたランタンを置き、悪い霊を驚かせて追い払おうとしたのです。
そもそもハロウィンの由来とは?
ハロウィンの背景には、古代ケルトの人々が行っていた「サウィン祭」があります。サウィン祭は、夏の終わりと冬の始まりを祝う行事で、現在の10月31日ごろに行われていました。
古代ケルトでは、この時期に亡くなった人の霊が家へ戻ってくると信じられていました。一方で、人にいたずらをする霊や悪い存在も現れると考えられていたため、人々は火をたいたり、仮面をつけたりして身を守ったそうです。
その後、キリスト教の「諸聖人の日」が11月1日に定められ、その前夜である10月31日は「All Hallows' Eve」と呼ばれるようになりました。これが短くなって「Halloween(ハロウィン)」になったとされています。
なぜ「かぼちゃ」なの?最初はかぶだった
意外ですが、ジャック・オー・ランタンに最初からかぼちゃが使われていたわけではありません。アイルランドやスコットランドでは、かぶ、じゃがいも、ビーツなどの野菜をくり抜き、中に火を入れたランタンが作られていました。
その風習が19世紀以降、アイルランドなどからアメリカへ渡った人々によって伝えられます。アメリカでは大きくて中をくり抜きやすく、鮮やかなオレンジ色で目立つかぼちゃが豊富にありました。そのため、かぶの代わりにかぼちゃが使われるようになり、ハロウィンの象徴として広まっていきました。
- かぼちゃは大きく、顔を彫りやすい
- 皮が比較的丈夫でランタンにしやすい
- 秋の収穫時期と重なり、季節感がある
- オレンジ色が暗い夜でもよく映える
つまり、かぼちゃは「悪霊よけ」の役目に加え、アメリカで暮らす人々にとって使いやすい野菜だったことから定着したのですね。
ジャック・オー・ランタンにまつわる「けちんぼジャック」の話
ジャック・オー・ランタンには、アイルランドに伝わる「けちんぼジャック(Stingy Jack)」の民話がよく結び付けられます。内容には地域や語り手による違いがありますが、おおまかな流れは次の通りです。
ジャックというずる賢い男性が悪魔をだまし、自分の魂を取らない約束をさせます。しかし、ジャックは生前の行いが悪かったため、死後に天国へ入れてもらえません。一方で悪魔との約束があるため、地獄にも入れませんでした。
行き場をなくしたジャックは、悪魔からもらった燃えさしを、くり抜いたかぶの中に入れて暗闇をさまよい続けたといわれます。この話から、野菜のランタンは「迷えるジャックの灯り」と呼ばれるようになったそうです。
ただし、この民話がハロウィンのランタン文化の唯一の始まりと断定できるわけではありません。昔からあった悪霊よけの風習と、ジャックの民話が重なり、現在のジャック・オー・ランタンのイメージにつながったと考えるとわかりやすいですよ。
かぼちゃの怖い顔にはどんな意味がある?
ジャック・オー・ランタンのぎょろりとした目や大きな口は、悪い霊を追い払うための顔です。ハロウィンは本来、楽しい仮装イベントであると同時に、霊を避けるための風習も含んでいました。
怖い顔のランタンを置くことで、「ここには近づかないで」と悪い霊に知らせる役目を持たせていたのですね。仮装で魔女やおばけ、怪物の姿になる風習にも、悪い霊に仲間だと思わせたり、驚かせたりする意味があったといわれています。
日本のかぼちゃと同じもの?飾り用は食べないことも
海外のハロウィンでよく使われる大きなかぼちゃは、観賞用・装飾用として栽培されている種類も多くあります。日本で料理に使う甘みの強いかぼちゃとは、品種や味わいが異なる場合があります。
飾り用かぼちゃは水分が多かったり、果肉が薄かったりして、食べてもあまりおいしくないことがあります。また、店頭で長く飾られていたものや、切ってから時間がたったものは衛生面にも注意が必要です。食べる予定があるなら、最初から食用として販売されているかぼちゃを選ぶと安心ですよ。
子どもに説明するなら、こう伝えるとわかりやすい
小さな子どもにハロウィンのかぼちゃの意味を聞かれたら、難しい歴史をすべて説明しなくても大丈夫です。例えば、次のように伝えるとイメージしやすいです。
「ハロウィンの夜には、おばけが来ると昔の人は思っていたんだよ。だから、かぼちゃに怖い顔を作って明かりを入れ、おばけに帰ってもらおうとしたんだよ」
これなら、怖がらせすぎずにランタンの役目を伝えられます。にこにこ顔や動物の顔のジャック・オー・ランタンを作っても問題ありません。現代では、家族や友人と秋のイベントを楽しむ飾りとして親しまれています。
飾るときの安全ポイント
本格的なジャック・オー・ランタンを作るなら、安全にも気を配りましょう。特に小さな子どもと一緒に作るときは、大人がくり抜き作業を担当するのがおすすめです。
- 包丁や彫刻用ナイフは大人が使う
- 本物のろうそくではなく、LEDライトを使う
- 不安定な場所や燃えやすい物の近くに置かない
- 屋外に置く場合は、雨や風で倒れないようにする
- 生のかぼちゃは傷みやすいため、飾った後はこまめに状態を見る
LEDキャンドルなら火を使わず、明かりがちらつくタイプもあるため雰囲気が出ます。玄関や室内の飾りにも取り入れやすいですよ。
人に話したくなる豆知識:オレンジと黒にも意味がある
ハロウィンといえば、かぼちゃのオレンジ色と黒色の組み合わせも定番ですね。オレンジは秋の収穫、実り、火や灯りを連想させる色です。黒は夜、暗闇、神秘的な世界を表す色として使われてきました。
また、アメリカではハロウィン前後にかぼちゃ畑を訪れ、自分で好きなかぼちゃを選ぶ「パンプキン・パッチ」も親しまれています。ランタン作りだけでなく、秋の収穫を楽しむイベントとして、かぼちゃが大切にされているのです。
まとめ
ハロウィンのかぼちゃ、ジャック・オー・ランタンは、悪い霊を遠ざけるための灯りです。古代ケルトの風習やアイルランドの民話と関わりがあり、当初はかぶなどで作られていました。それがアメリカで手に入りやすかったかぼちゃに変わり、世界中で親しまれるハロウィンのシンボルになりました。
由来を知ると、かぼちゃの顔や灯りも少し違って見えてきますね。今年のハロウィンは、悪霊よけという昔の意味にも思いをはせながら、安心・安全に飾り付けを楽しんでみてください。
